インプラントの骨造成とは?種類・費用・期間・痛みを歯科医師が解説
インプラントの骨造成とは?種類・費用・期間・痛みを歯科医師が解説

インプラントの骨造成とは、インプラントを支える顎の骨の高さや厚みが不足している場合に、自家骨や骨補填材などを利用して骨が形成される環境を整える治療です。骨が少なくても治療の選択肢が広がる一方、すべての方に必要なわけではありません。実施の必要性や方法は、歯科用CTによる骨の状態と全身の健康状態を確認して判断します。
- インプラントの骨造成とは何のために行う治療なのか
- 骨造成が必要になる主な3つのケース
- 骨造成の種類と違い(GBR・ソケットリフト・サイナスリフト・自家骨移植)
- 骨造成をしないでインプラント治療する選択肢(All-on-4®など)
- 骨造成の治療の流れと期間の目安
- 痛み・腫れ・リスクと術後の注意点
- 当院の骨造成関連の料金と費用を抑えるための考え方
- 骨造成に関するよくある質問(FAQ)
「骨が薄いのでインプラントは難しいと言われた」「骨造成はどんな手術で、痛みや費用はどのくらいかかる?」という疑問を持つ方に向けて、骨造成の種類、治療期間、費用、リスク、代替案までをわかりやすく説明します。
なお、当院のインプラント治療の内容や特徴については、インプラント治療の詳細ページをご覧ください。
1. インプラントの骨造成とは?何のために行う治療?
骨造成(こつぞうせい)は、インプラントを埋め込む場所の顎の骨が不足しているときに、必要な骨量を補うための外科的処置の総称です。骨はインプラント体(人工歯根)を支える土台です。骨の幅や高さが足りないまま無理に埋入すると、十分に固定できなかったり、インプラントの表面が露出したりするおそれがあります。
骨造成では、患者さん自身の骨である「自家骨」や人工骨などの「骨補填材」を使い、必要に応じてメンブレンと呼ばれる膜で保護します。これは骨をその場で完成させる手術ではなく、一定の治癒期間をかけて骨が形成される条件を整える治療です。
「骨が少ない=必ず骨造成」というわけではありません。残っている骨の位置・質・量、失った歯の本数、噛み合わせ、神経や上顎洞との距離により、骨造成を行う場合も、埋入位置やインプラントの設計を変更する場合もあります。
2. 骨造成が必要になる主な3つのケース
1.歯を失ってから時間がたち、顎の骨が痩せた場合
歯を抜いた後は、その歯を支えていた歯槽骨が徐々に吸収されます。長期間歯がないままになっている部位では、インプラントを埋め込むための骨の幅や高さが不足することがあります。抜歯の予定がある方は、その後の治療方法を早い段階から相談することが重要です。
2.歯周病や炎症によって骨が失われた場合
重度の歯周病は、歯の周囲の骨が減る原因になります。歯周病やむし歯に伴う炎症、抜歯時の骨の欠損などがあると、残存骨が少なくなり、骨造成を検討することがあります。骨造成の前後には、歯周病のコントロールや清掃状態の改善も欠かせません。
3.上顎の奥歯の上にある空洞(上顎洞)との距離が近い場合
上顎の奥歯のさらに上には「上顎洞」という空洞があります。もともとの骨が薄い方や、歯を失った後に骨が痩せた方では、十分な長さのインプラントを安全に埋入できる骨の高さが確保できないことがあります。このような場合、上顎洞の底を持ち上げる骨造成が候補になります。
3. 骨造成の種類と違い|GBR・ソケットリフト・サイナスリフト
骨造成には複数の方法があり、「どの部分の骨が、どの程度足りないのか」によって選択します。代表的な術式の違いは以下のとおりです。
| 術式 | 主な対象 | 治療の概要 |
|---|---|---|
| GBR(骨誘導再生法) | 骨の幅・高さなど局所的な不足 | 骨補填材などを使用し、必要に応じてメンブレンで保護して骨の形成を促す |
| ソケットリフト | 上顎奥歯の骨が比較的少し不足 | インプラントを入れる位置から上顎洞底を挙上する |
| サイナスリフト | 上顎奥歯で比較的大きな骨量の不足 | 上顎洞の側面などから粘膜を挙上し、骨のための空間を確保する |
| 自家骨移植など | 比較的大きな骨欠損など | 別の部位から採取した自身の骨を移植する方法 |

GBR法(骨誘導再生法)とは
GBR(Guided Bone Regeneration)は、骨を作りたい部分に骨補填材や自家骨を置き、必要に応じてメンブレン(遮断膜)を用いて、歯ぐきなどの軟組織が入り込むのを抑えながら骨の再生を誘導する方法です。骨が足りない範囲が小さければインプラント埋入と同時に行えることもあります。欠損が大きい場合は、先にGBRを行い、骨の成熟を待ってから埋入することもあります。
ソケットリフトとは
ソケットリフトは、上顎の奥歯で骨の高さが不足している場合に、インプラントを埋入する方向から上顎洞底を持ち上げる方法です。一般に、ある程度の骨が残っており、比較的小さな挙上で対応できると判断される場合に検討します。骨の高さだけでなく、上顎洞の形や粘膜の状態なども術式選択に関係します。
サイナスリフトとは
サイナスリフトは、骨量が大きく不足する上顎の奥歯などで検討される上顎洞底挙上術です。歯ぐきの側から上顎洞の粘膜を持ち上げ、その下に骨補填材などを用いて骨が形成される空間をつくります。ソケットリフトより広い範囲の処置になる場合があり、治療期間や腫れの程度も症例により異なります。
自家骨や人工骨など、骨補填材には違いがある
骨造成に用いる材料には、患者さん自身の骨である自家骨、人工的に作られた骨補填材、動物由来などの骨補填材があります。自家骨は骨の形成に関わる要素を含みますが、採取部位にも処置が必要な場合があります。一方、骨補填材には材料ごとの特徴があります。どの材料を使うかは、欠損の大きさ、必要な骨の量、術式、患者さんの希望などを踏まえて検討します。
4. 骨造成は本当に必要?しないでインプラント治療する選択肢
骨造成の必要性は、治療前のCT検査や口腔内診査によって判断します。骨が不足していても、予定するインプラントの位置や角度、長さ、本数を見直すことで、骨造成を伴わない治療計画を立てられることがあります。しかし、骨の不足が大きい場合や神経・上顎洞との位置関係によっては、骨造成が望ましい、またはインプラント自体が適さないこともあります。
歯を多く失った方では、少ない本数のインプラントで人工歯列を支える「All-on-4®(オールオン4)」などの治療法が候補になる場合があります。ただし、All-on-4®もすべての方が骨造成なしで受けられるわけではありません。残存骨や全身状態などを検査したうえで適応を判断します。
また、骨造成を受けたくない場合は、ブリッジや入れ歯なども含めて比較検討することが大切です。外科手術の負担、費用、治療期間、周囲の歯への影響、将来のメンテナンスを総合的に考えて選びましょう。
5. 骨造成の治療の流れと期間の目安
骨造成の治療期間は、術式や骨の欠損量、インプラントとの同時手術が可能かどうかによって変わります。一般には骨の治癒・成熟を確認するため数か月単位の期間を要し、インプラント全体の治療期間が長くなることがあります。具体的な期間は検査後の治療計画で確認してください。
| 段階 | 行う内容 |
|---|---|
| ①相談・診査 | 希望や既往歴を確認し、口腔内診査・歯科用CTなどで骨の高さ、幅、神経や上顎洞との位置関係を調べる |
| ②治療計画・事前処置 | 術式、骨補填材、費用、リスク、治療期間を説明。必要に応じて歯周病治療や抜歯を先行する |
| ③骨造成の手術 | 局所麻酔などを用い、骨補填材の充填やメンブレンの設置、上顎洞底挙上などを行う |
| ④骨の治癒・再評価 | 数か月単位で治癒を待ち、必要に応じて画像検査を行って骨の状態を確認する |
| ⑤インプラント治療 | 埋入を別日に行う場合は骨の状態を確認して手術。骨との結合を待ち、人工歯を装着する |
| ⑥継続的なメンテナンス | インプラント周囲炎などを予防するため、セルフケアと定期検診を続ける |
GBRの範囲が小さく、インプラントと同時に行える場合は手術回数を減らせることがあります。反対に、骨が大幅に不足している場合は段階的な治療が必要となり、半年以上の期間が加わることもあります。治癒には個人差があるため、予定どおりに骨が形成されない可能性も理解しておきましょう。
6. 骨造成の痛み・腫れ・リスクと術後の注意点
手術中と手術後の痛み・腫れ
骨造成は通常、局所麻酔などを用いて行われます。麻酔の作用中は痛みを抑えられますが、術後には痛み、腫れ、内出血、出血、口の開けづらさなどが生じることがあります。程度は手術の範囲や体質により異なります。処方された薬の服用や患部の清潔保持について、担当歯科医師の指示に従ってください。
腫れや痛みが強くなる、数日たっても改善しない、高熱が続く、膿が出る、出血が止まらないなどの異常があれば、自己判断せず受診先に連絡しましょう。
知っておきたい主なリスク・デメリット
- 外科手術に伴う腫れ、痛み、出血、感染、傷の開き、骨補填材やメンブレンの露出
- 上顎洞底挙上術では、上顎洞粘膜の損傷や上顎洞炎などが起こる可能性
- 部位によっては神経や血管など周囲組織への損傷の可能性
- 骨の形成量が不足し、追加処置や治療計画の変更が必要になる可能性
- 骨造成の分だけ費用が増え、治療期間が延びること
喫煙、コントロール不良の糖尿病、歯周病、服薬内容などは、創傷治癒や感染リスクの評価に関係します。持病や服薬については必ず事前に申告し、必要に応じて主治医と連携しながら治療を検討します。
7. インプラント骨造成の費用は?当院の料金をご案内
骨造成は原則として自由診療です。術式、必要な骨補填材、処置範囲により費用が異なります。札幌ブランデンタルクリニック伏見の公式料金表に掲載されている骨造成関連の費用は以下のとおりです(2026年10月確認)。
| 治療項目 | 当院の掲載料金(税込) |
|---|---|
| GBR(骨誘導再生法) | 55,000〜110,000円 |
| ソケットリフト | 55,000円 |
| サイナスリフト | 165,000円 |
| CGF | 11,000円 |
上記は医院公式サイトに掲載されている各処置の料金です。インプラント本体や人工歯、他の検査・処置にかかる費用が別途必要になる場合があります。CGFは患者さん自身の血液由来成分を利用する補助的な方法であり、GBRなどの骨造成そのものと同一の治療ではありません。各処置が必要かどうか、実際の総額は診査・診断後の見積もりでご確認ください。
骨造成を行うか迷っている方は、料金の高低だけでなく、処置が必要な理由、行わなかった場合のリスク、代替治療、追加処置の可能性も説明を受けたうえで判断することをおすすめします。
8. 札幌ブランデンタルクリニック伏見のインプラント治療の特徴
当院では、顎の骨の状態や解剖学的な位置関係を確認するための歯科用CTを備え、カウンセリングと精密検査を踏まえた治療計画を重視しています。また、インプラント手術の位置や方向を支援する3Dナビゲーションシステム「X-Guide」を導入し、静脈内鎮静法やCGF再生療法にも対応しています。これらの設備・方法にはそれぞれ適応があり、すべての骨造成症例で一律に使用するものではありません。
「顎の骨が薄いと言われた」「以前、インプラント治療が難しいと説明された」といった場合も、まずは現在の骨の高さや厚みを検査することが出発点です。必要な骨造成の方法、骨造成を行わない選択肢、費用と期間について、担当歯科医師にご相談ください。
9. インプラントの骨造成に関するよくある質問(FAQ)
10. まとめ|骨造成の必要性はCTによる精密診断で判断
インプラントの骨造成は、顎の骨が不足しているときにインプラントを支える土台を整えるための選択肢です。代表的な種類にはGBR、ソケットリフト、サイナスリフトなどがあり、部位や不足量によって方法が異なります。骨造成は治療の可能性を広げる一方、痛み・腫れ・感染などのリスクや追加の費用・期間が発生します。
骨が少ないと指摘された方も、すぐに治療を諦めたり、反対に骨造成が必須だと決めつけたりする必要はありません。札幌市中央区の札幌ブランデンタルクリニック伏見では、歯科用CTなどで状態を確認し、患者さんの希望も踏まえて治療方法をご相談いただけます。
札幌ブランデンタルクリニック伏見|北海道札幌市中央区南18条西17丁目1-1 伏見センタービル2階|電話:011-522-4182|公式サイト:https://blanc-dental.net/
この記事の執筆者・監修者

- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会「口腔インプラント治療指針2024」(2026年3月一部修正):https://www.shika-implant.org/publication/guide/
- 札幌ブランデンタルクリニック伏見:インプラント治療:https://blanc-dental.net/menu/implant/
- 札幌ブランデンタルクリニック伏見:費用:https://blanc-dental.net/price/
- 札幌ブランデンタルクリニック伏見:ドクター紹介:https://blanc-dental.net/doctor/
























